皇海山へのバリエーションルート松木川、ニゴリ沢から入り、六林班峠経由で銀山平へ下山しました。
 ニゴリ沢からもみじ尾根へ取り付き、白ざれの素晴らしい国境平に泊りたかったのですが、もみじ尾根分岐を見落とし、ニゴリ沢をもっと先まで詰めてしまい、少し引き返して、皇海山の東尾根を登りました。
 途中、藪漕ぎでヘトヘトになり、日没も迫っていたので、わずかな平坦地に幕営。翌朝、再び藪漕ぎ2時間で、無事、皇海に登り着きました。

【山 域】足尾・皇海山
【日 程】2002.10.5−6
【コース】間藤9:10−大ナギ沢11:00−ニゴリ沢13:30−東尾根1560m地点16:20
     5:30−皇海山7:45−鋸山9:00−六林班10:30−庚申山荘12:30−銀山平14:30
【メンバ】和名倉山の住人
【天 候】晴れのち曇り
【報 告】
 乗り換え案内で、王子から間藤で調べると、10:24に着くものしか出てこないが、区間分割して、王子−北千住と、北千住−間藤で調べると、もう1本早い列車に乗り継げる事がわかった。ここで、1時間20分も早く着くのは嬉しい。
 しかし、さすが乗り換え案内。思いも寄らぬルートを弾き出した。北千住までは、西日暮里経由だが、北千住からは日光線の準急に乗車、東武動物公園で、伊勢崎線に乗り換えずに、そのまま日光線に乗車し、栃木でJR両毛線に乗り換え、桐生からわたらせ渓谷鉄道に乗り換えるというもの。東武動物公園から、伊勢崎線、太田線と乗り継ぐより早いなんて、東武さん、乗り継ぎの悪さを、何とかしてヨ!

 9時過ぎに間藤を歩き出すが、ダムまでが結構長い。久蔵沢を渡り工事の横を通って松木川沿いに歩き、ゲートの所から下に下りる。川原にはジャンボエスパースが2張あった。道は再び右手のガードレール付きの林道になる。所々砂利が押し出して来ている。林道が終わり川原に下りると、所々、渡渉が必要になる。フェルト付き地下足袋(ウェットスーツの素材で、コハゼの代わりに、ファスナーとベルクロで出来ている)に履き替えズボンの裾をまくって川に入る。

 台風21号の影響か?かなり増水しているようで、所々ヒザ上まであり、ズボンも少し濡れてしまった。最後の堰堤を右から越えるが、1段目が結構高くて、ヨッコイショという感じ、その上はワイヤーロープを頼りに登る。堰堤の先で、三沢と小足沢を合わせ、時折、渡渉をしながら、川原歩きが続く。やがて、右から釜ノ沢が滝で合流。その先で左に、エアリアに台地状と書かれた砂利の堆積した台地があり、そのすぐ先で、ニゴリ沢が合流する。

 合流点の先のニゴリ沢は、だだっ広い河原歩きが続く。モミジ尾根は、右に分かれて登って行くので、右手を注意しながら河原を歩いたのだが、どうも、分岐が良くわからない。
 途中、足元でスズメバチが飛び交っていたので、静かに通り過ぎようとしたのだが、その内の1匹がふくらはぎにとまって、今にも針を刺そうとお尻を曲げて攻撃姿勢だ。やむなく、指で弾き飛ばしたのだが、既に少し毒液を注入されたようで、その後、暫くチクチク痛みを感じた。指で触って見たが針は残っていないようだ。また、毒の量も僅かだったようで、別に腫れるような事は、無かった。

 蜂を避けて逃げ回っていたためか、結局モミジ尾根分岐は分からず、どんどん沢を登って行くとやがて、水量がグッと減って傾斜も増し、滝のようになって来た。これは明らかに、登り過ぎている。取りあえず左岸に注意しながら、沢を戻って見た。左岸から水量の多い沢が、滝となって合流しているので、その手前から(下流に向かって)左手の尾根に取り付いて見る。

 獣道のような僅かな踏み跡を辿るものの、すぐに尾根は急勾配になり、踏み跡も定かで無くなる。まあ、尾根としては、急だが登れそうなので、後は日没との闘いで、急な尾根をひたすら登る。ひとしきり登ると、やっと傾斜が緩くなって来たので、コンパスを合わせると、ほぼ西に向かって登っている。どうやら、皇海の東尾根を登っているようだ。となると、2100mまで尾根が続く事になる。もう稜線まで行く事は諦め、尾根上の猫の額程の平坦地に幕営した。

 2人用テントの底面積ぎりぎり程の狭い所だ。時刻は16:20。日暮まで1時間と無いので、急いで食事を作り、汗で濡れた上着とズボンを脱いで、Tシャツとパンツで、シュラフに潜り込む。化繊の下着はすぐに乾いたので、ぐっすり眠ることができた。

 翌朝、濡れた服を着て、朝露でさらに濡れぬよう、スパッツを着けて出発。2時間の、ますますの急登とシラビソの藪漕ぎをこなして、やっとの事、傾斜が緩くなり、藪も無くなると、タイガーロープが現われ、山頂直下の縦走路に飛び出した。ここを右に2,3分進むと皇海山頂に着いた。

 山頂には、中年夫婦が休んでいた。聞くとモミジ尾根を登って国境平に幕営したとの事。本来ならご一緒していたハズ。お二人は往路を戻られるそうだが、こちらは、まだまだ先が長いので、長居はせず下山開始。
 水が少ないので、不動沢鞍部から不動沢に下って水汲み。下り5分上り10分の道程。鋸へは、岩混じりの急登だが、この手前でたくさんの人とすれ違う。鋸からは、十一峰は通らず、六林班経由で、庚申山荘、一の鳥居と辿り、銀山平に下山した。

メモ:北千住-間藤(日光線、両毛線栃木経由)2680円、桐生-間藤1080円
   タクシー(銀山平-原向)2420円、原向-相老900円
   りょうもう号(相老-北千住)2300円