2/7,8と会社が休みになり、5連休になったので、久し振りに奥秩父の和名倉
山(往復)−飛竜−三條の湯−雲取山−赤指−峰谷で計画。武蔵野の山仲間が、
2/9-10で奥多摩町営小屋テント泊で雲取山を計画していたので、3日目に町営
小屋で合流するつもりで出発した。しかし、待望の雪に丸2日ラッセルが続
き、結局、和名倉山、雲取山は断念。ピークは1つも踏んでいないが、雪の奥
秩父の山深さを堪能する山行きが出来ました。

【山 域】奥秩父(ピークは何処も踏んでいない)
【日 程】2002.2.7(木)−10(日)
【コース】三ノ瀬8:30−将監小屋12:00△7:00−大ダル手前14:00△6:30−
    飛竜権現10:15−北天のタル13:00−三條の湯15:15△3:55−鴨沢6:50
【メンバ】和名倉山の住人(単独)
【天 候】3日とも晴れ
【報 告】
 三ノ瀬の民宿見晴らしの手前まで、塩山からタクシー9620円。クラストした
雪の上には、足跡が1人分。牛王院平あたりまで往復したようだ。足の短い私
には、どうも歩幅が合わず、返って歩きにくい。通常なら1:30で登る所が、3
時間半かかって、お昼に将監小屋に着く。ここから踏み跡が無くなるのでラッ
セルになるが、2時間程登っても大して進まないだろうから、今日は、水のあ
るこの小屋の前に泊まる事にする。ここは冬でも水があるので嬉しい。

 翌朝、明るくなってから出発。いきなりひざ上のラッセルとなる。縦走路に
出るまで、普通なら15分位の所、1時間20分も掛かる。縦走路に出ても相変わ
らずのラッセルが続く。ひざ下のラッセルなら次の足が前へ出るが、ひざ上の
場合、山側の足が前に出せず、谷足と同じ位置にしか置けず、1歩1歩進んで
いる感じで、らちがあかない。

 それでもコースタイムの4,5倍掛けて、尺取虫のように進んでいく。右下
にモリ頭を見てモリ尾根を越えてからは、若干雪が少なくなったようで、明日
は何とかなるかなぁ、などと楽観的に考えていたが、さにあらず。翌日の方が
よっぽど大変だった。
 とりあえず、今日は午後2時になったので、大ダルの手前のちょっとした岩
の横の縦走路に幕営する。ここなら大ダルより風も無く、山側の岩のお陰で雪
崩の心配もない。
 何とここからi-modeのメールが通じた。明日、雲取パーティと合流できそう
にない旨メールで連絡。鹿も居ないこんな山奥で、携帯が届くなんて、安易に
救助を求める遭難者?の気持ちが、何となくわかるような気になった。

 3日目の朝、目の前に飛竜が大きく立ちはだかっている。これを越えて、三
條の湯までラッセル頑張ろうと自分に言い聞かせて出発。大ダルはやはり風の
通り道だった。これを過ぎ、飛竜権現までの間に、2、3回谷を越えるが、こ
の谷の部分は、雪が腰まであり、ラッセルに苦労させられた。雪が無きゃ50分
位で登る所だが3時間半かかり、10:00禿岩着。10:15飛竜権現に到着。ここで
今回初めて、冬毛のオコジョを見た。今回三條の湯までの間で、動物を見たの
は、これだけだった。(鹿も雪深い所は嫌うそうだ)

 飛竜権現からも、相変わらず踏み跡は無く、さらにラッセルは続く。スパッ
ツのゴムも両方切れて、片側は交換したが、もう片方は替えが無く下からも雪
が入って来たが、もうとっくの間に靴の中は水浸しなので、構わず歩く(^^)
 後山川の上流、悪谷を横断する所が、雪の付いた60度位の斜面で、足元の雪
共々、雪崩れたら怖いなあと思いながら、ピッケルを刺して1歩1歩慎重に進
む。2箇所の悪場を越えて次の尾根を乗越すと目前に雪の鞍部が見えてきた。
北天のタルだ。道が水平に2分している。下が目指す三條の湯への道だ。

 あと少しと思ったのも束の間。この北天のタルの手前数十mが、今回最も悪
い場所だった。左からは雪が押し出し、右はすっぱりと切れ落ちていて、いつ
雪崩れても不思議じゃない位の嫌らしい斜面に慎重に踏み出すが、兎の足跡の
上に足を置いた途端、すっぽりと足元が抜け落ち、胸までズボッと落ちた。も
がいても山側は石積みの石がツルツル滑って足が掛からない。谷側はいつ崩れ
るかわからないスノーブリッジ。しょうがないのでザックを横にして、谷側の
雪を崩さないように、そっと体重をかけて這い上がる。石垣の上が本来の道の
ようだが、雪が大量に乗っているため進めない。やむなくピッケルで雪掻きを
して、目の前の雪をさんざん手前に掻いてから、やっとの事その場を脱出で
き、北天のタルに着いた。

 ここからは、雪の積もった橋だけ気をつけて、どんどん下る。雪もみるみる
少なくなって、鹿の足跡が多くなって来ると、小屋の匂いがして来て、何とか
15時過ぎに小屋に着いた。小屋の人が私の事を覚えていて、10月に武蔵野市で
来た時に北海道の熊のいる山に登った話しをしていた方でしょうと声を掛けて
くださった。
 キャンプの手続きをすませ(温泉付き天場代1名800円)テントを張る。靴を
脱ぐと泥水が出てきた(^^;) 温泉で汗を流して冷えた体を温め、早めに寝る。

 最終日、もう2日間のラッセルで、雲取山に登る力も残っていないので、後
山林道をお祭りへ下山。うちの山岳部は、どこよりも早い!3時起き3:55出
発。途中、登山道崩壊で、一旦トラロープ伝いに谷まで下り、対岸を行き、再
び登り返して、間もなく後山林道に出る。お祭りまで2時間半。そこから鴨沢
西まで歩き6:50の一番バスで帰って来た。

 自宅でこの報告書を書いている時に、雲取パーティから連絡が入った。今朝
山頂は雪が降っていたそうだ。鴨沢でも小雪が舞っているとの事。今年も、去
年2月のように、2mも積もるのだろうか...。