お久し振りです。和名倉山の住人です。

 3/17-19で、奥日光上野国境の2001m峰に行ってきました。コースは丸沼、菅
沼の間の尾根を登り、途中で1泊し、3/18に国境稜線の2001mを踏んで、湯沢
峠から丸沼温泉まで下りました。まだまだ雪が落ち着いていないため、所々ズ
ボッと踏み抜いて、楽な登りではありませんでした。また湯沢峠からも夏道は
ハッキリせず、ラッセルに終始した山行となりました。

【山 域】奥日光 上野国境 2001m峰
【日 程】2001/3/17(土)-19(月)
【コース】丸沼スキー場第5駐車場−R120−菅沼取水口−1880m−1930m
     10:00             11:00    13:50 15:00
     1930m−2006m−2060m−2001m−湯沢峠−丸沼源泉−丸沼
     8:55  9:50  11:45 12:40 13:00  15:30   16:00
【メンバ】和名倉山の住人(単独)
【天 候】3/17晴れのち15:00より雪、3/18雪のち晴れ
【報 告】
 上野国境に 2001m峰を見つけた時に、まずはどこから登るのかを考えた。
念仏平の先から縦走するのも面白そうだが、大変そうでもある。南の菅沼と
丸沼の間の尾根が、直接2001mに繋がっていて距離も短いので、これを登る
事にした。尾根の末端は丸沼発電所だが、春先ならスキー場のリフトが使え
そうだと思った。

沼田8:00のバスで出発。途中で後部ドア故障のため前扉からの乗降になっ
た。鎌田まで約1時間。ここで丸沼スキー場のシャトルバス(無料)に乗り継
ぐ。スキー場でリフト券2枚(@\400*2)を購入。第1、第2のリフトに乗り
スキー場の中間点に着く。

ここから、左にスキー場を離れ、金精道路(R120)に出る。道は閉鎖されて
いるが、GWに向けて除雪してあるので、1m位の雪の壁の中の道を進む。
しばらく行くとスノーシューを担いだパーティに追いついた。その人達の前
には除雪車がいて、今まさに除雪をしている所だった。

すぐ先で除雪車が横に退いてくれたので、スノーシュー隊と除雪車を抜い
て先頭に出た。とは言っても、この先も既に除雪されているので、相変わら
ずツボ足で歩く。しばらくして、左に目指す尾根が迫ってきたので、ここで
スパッツとワカンを着け、いざ出発。ガードレールを越え、2,3歩下りた
ところで、いきなりドサッと雪ごと下に落下。どうやら斜面ではなく1m程
の壁になっていたようだ。

 その下、パカパカ下りた所は、丁度菅沼の取水口の所で、右手に雪に覆わ
れた沼が広がっている。雪の原の上を渡って、取水施設の小屋の左手から、
尾根の腹に取り付く。ここが結構急で苦労した。一汗も二汗もかいて、よう
やく尾根の上に出た。

 尾根に出てしまえば、標高差数百mなので、楽勝と思いきや、ここからが
大変だった。3月も後半だと言うのに、雪は締まっていなくて、また、木や
笹の上に積もっているので、所々踏み抜いては、這い上がりの繰り返し。一
度は、踏み抜いて胸まで落ちたが、この時、雪の下に松の枝があり、これに
胸を打ってしばらく苦しかった。(実は胸骨損傷していた事が後から判明)

 また、尾根の上と言っても、決して緩やかな所ばかりでなく、所々雪壁が
現れる。雪壁は、正面突破で、ピッケルで切り崩しながら進むか、手前のコ
リドールを崩さないように、そっと渡って右か、左から巻いて登った。

 標高差にすると大して無いのだが、実に時間が掛かってしまい、午後3時
になっても、2006mにも達しない地点で、もがいている。あと1時間位で幕
営しようと思ったが、あっという間に天候が悪化し、雪がバンバン降ってき
た。仕方ないので、尾根の途中のちょっとした吹き溜りを平らに均して、テ
ントを張った。標高1930m位の所だ。

 雪はどんどん激しくなり、すぐに10cm位積もってしまった。この分で、一
晩中降ったら大変だと思ったが、ラジオでは前線の通過が速く、明日の昼に
は晴れるとの事。日が暮れる頃には、小降りになったので、安心して寝るこ
とにした。

 翌朝、ここから往復するか、先へ抜けるかを判断する。もしここにテント
を設営したまま2001m峰を往復して戻っても、また雪を踏み抜いて、苦労し
ながら下りることになるだろう。それよりは、2001m峰のすぐ先の湯沢峠か
ら、丸沼温泉へ夏道の上を下った方が、楽かも知れないと考えた。夏道の上
なら踏み抜いても、木の枝など出ていないだろうと考えた。まあ踏み跡は無
いだろうから、ラッセルは覚悟の上の事で、抜けることにした。

 朝方また雪が降ってきたので、暫く様子を見てゆっくりの出発となった。
テントを担いでの登りなので、結構こたえる。標高差たったの130mに3時間
近く掛かって、やっとの事で、今回の最高地点である2060mのピークに登り
着いた。

 2060mからは、目指す国境稜線が見えて来た。目標が見えたので、少しは気
が楽になり、この先一気に下った。鞍部からまた登り返して、2001mの手前
の2万5千図にも無い2つの小ピークを越え、昼過ぎに、やっとの思いで、
2001m峰に到着した。

2001m峰には、何の標識も無いので、2001.3.18 YMCの赤布を結び付けて
写真を撮った。ひょっとしたら2001年の初登かな?とか思いながら昼食をと
る。この先も丸沼まで遠いので、あまり長居はせず出発。北に向かって鞍部
まで下り、再び登り返して、次のピークから夏道の道標でもないかと探した
が、見つからない。さらにその先の鞍部に赤布があり、これに従って、戻り
気味に下り始めた。

 あまりどこが夏道やら わからないが、とりあえず初めはこの尾根に沿って
忠実に下る事にした。順調だったのは初めだけ、すぐに何処が元々の夏道の
上だかわからなくなり、また又ズボッと踏み抜くようになった。でも、これ
だけ潜れば、次第に慣れてきて、片足が潜ったら、すぐにもう片方の足を前
に出して、背中を倒してそれ以上潜らないように工夫した。

 しばらくは我慢して尾根を下りたが、地図でみても途中で左に折れて、沢
を渡ることになっているので、その左折地点がわからないまま、とりあえず
左に下って見ることにした。ところがドンピシャ?赤布のついている所に下
り立った。
 ここから雪に覆われた沢を渡り対岸に出るが、ここも道がはっきりしない。
とりあえず夏道には、こだわらず右下に今渡った沢を見ながらトラバース気
味に下って行く。どうやら、夏道より少し下を通っているようで、途中で水
のちょろちょろ流れている沢などを横断し、やっと尾根らしき所に出たら、
そこには赤布が付けられていた。あとは、この少し尾根らしくなった所を下っ
て、沢に下りると、温泉の源泉の取水パイプの所に出た。

 この先は、急に明るい沢になり、堰堤をいくつか越えて、丸沼温泉に到着
した。温泉は、冬期閉鎖中だが、GW開業に向けて人が入って作業中で、道も
除雪されていた。明日はラッセルせずにR120へ出られそうなので一安心。
 ここで丸沼を見渡せる場所に幕営し、もう1泊して翌朝、丸沼スキー場ま
で歩いて、早朝でも入れるスキー場センターハウス内の内湯「座禅の湯(500
円)」に入って、背中に入った木の枝などを、はたき落として、汗も流して
帰った。

以上、来週は14車山と15高尾の植樹祭に行く予定の和名倉山の住人でした。