和名倉山の住人です。GWの第1段として、雪上訓練に谷川岳の芝倉沢へ
行ってきました。

【山 域】上越谷川岳(芝倉沢)
【日 程】2000.4.29−30
【コース】4/29土合−新道−芝倉沢虹芝寮横(テント泊)−雪上訓練
     4/30虹芝寮−のど−一ノ倉岳−谷川本峰−天神平
       7:25     13:00   15:00   17:00
【メンバ】会社山岳部員&OB5名、社外2名(2日目は4人と別れ、3名)
【天 候】4/29:曇り、4/30:晴のち曇り
【報 告】
初日:
 土合橋から新道を歩き芝倉沢まで。途中のマチガ沢は石を投げ入れ、足場
を作って渡る。一ノ倉沢は上部がガスっていたが、南稜エボシ岩やコップ状
岩壁と言った写真で見た世界が、のしかかる様に迫って見える。

 やがて1段上の道に上がると、まもなく虹芝(こうし)寮に着いた。山小屋
の隣にテントを張る。近くには雪が溶け水が汲める口があるので、燃料が節約
できる。

 テントを張ったら、いよいよ雪上訓練の開始だ。メニューは、雪上歩行、
登下降、斜登降、キックステップ、雪壁登り、滑落停止、肩/腰がらみの確
保、グリップビレー、肩がらみ/8環での懸垂下降、人を背負っての下降、ス
タッカート、コンテと盛沢山の内容だった。これらの雪上技術は、知識として
は知っていても、実際にやってみると、なかなかうまく行かない。難しいと言
うことが分かっただけでも貴重である。後は、毎年練習するしか無い。

 訓練が終わったら、雪の上で焚き火をする技術も教わり、焼肉のお楽しみ付
き、キャンプに切り換わり、歌集も取り出して、虹芝寮の歌(山の友よ)や、
谷川小唄などで盛り上がった。

2日目:
 今日は2手に分かれて、1パーティは、よもぎ峠から朝日岳方面へ進み、も
う1泊して、白毛門を越えて、土合へ下山。我々のパーティは、芝倉沢を詰め
谷川岳本峰を越えて天神平経由で1日早く帰京。

 芝倉沢は、途中がのどの様に狭くなり、これを越えて大きく左へ曲がると、
パッと開けて、一ノ倉から茂倉まで雪のカールの大パノラマが展開すると、30
年前に行かれた先輩から話しを聞いていた。

 まずは、虹芝寮の所から右岸を辿り、徐々に谷底に下りていく。始めは広い
沢だが、1ピッチ行くと2手に分かれ左手の狭いノドの部分を行く。この辺り
は、雪が集まる為か、かなり傾斜がきつい。このノドを越えると右からデプリ
の押し出したボコボコの斜面になり、緩やかに左に曲がって行く。この辺りか
ら、所々、湿った新雪の白い斜面が現れる。多分、一昨日に降った雪だろう。

 この緩やかなカーブを登って行くと、やがて、周囲がぱっと開け、一ノ倉か
ら茂倉の稜線が目前に広がる大雪原になる。まるで雪の摺鉢の底にいるよう
だ。

 あとは、左手の一ノ倉岳のピークを目指し、この雪の斜面を登るだけだが、
もう、足も疲れて来て、ぐずぐずの雪に潜った瞬間に太股が吊ってしまった。

 他の2名も、もう、目一杯だったので、一ノ倉岳の広い雪原で大休止。ここ
からは、大きな登りは無いものの、小さな岩峰や谷川岳本峰の2つ耳を越えな
ければならない。さらに、最終のゴンドラの時間(17時)も気になり、なるべく
早くと思いながら、ヘトヘトになりながら、本峰、肩の小屋、熊穴沢小屋と足
を運ぶ。

 熊穴沢小屋横の積雪計は3m40cmだった。先週(4/22)に別なパーティと来
た時には、4mだったので、1日10cmの速さで溶けている事になる。この先
先週は岩が少し露出した所を、残っている雪を足場に登った所が、今週は2m
程完全に雪が溶けていたので、左手の木を使って、木登りで越えた。これを越
え、次の小ピークは左手より巻いて、悪場は終了。気が付くとスキー場はいつ
の間にか静かになっている。17時まで、あと10分。田尻尾根のピークは巻
いて、スキー場が見えると、もうスキーヤーは一人もいなくて、圧雪車がゲレ
ンデ整備をしている。あと5分で最終のゴンドラが出るとの放送が流れ、慌て
て駆け下りて、切符を3枚購入。滑り込みセーフで、ゴンドラに乗る。すぐ後
ろのゴンドラには、係員が乗って引き揚げて来た。

 雪山でこんなに目一杯行動したのは初めてで、皆んなどっと疲れていたが、
その分、とても充実した山行を経験でき、満足だったようだ。