この会議室に報告書をアップするのは、実に久しぶりの和名倉山
の住人です。木金と休みを取って、私自身の課題の山「大佐飛山」
へ行ってきましたのでご報告します。(長文ですみません)
 先々週、塩原の鶏頂山に行った時は、あまりの雪の少なさに驚い
たのですが、その為、今回の計画は、雪がグズグズになって進めな
い場合や、あるいは、雪が無い時の薮漕ぎも考慮し、2泊3日+予
備日1日の4日体制で臨みましたが、思ったよりも雪もあり、気持
ちの良い春山を楽しむことができました。

【山 域】(那須塩原)男鹿山塊
【日 程】1999/03/18-20
【コース】3/18:萩平−鴫内山−黒滝山△
     3/19:黒滝山−大長山−大佐飛山(往復)−黒滝山△
     3/20:黒滝山−百村山−木ノ俣
【メンバ】和名倉山の住人(単独)
【天 気】3/18:曇り、3/19:曇りのち雨、3/20:雪
【報 告】
 那須塩原駅よりタクシーで萩平まで入る。(4660円) ここから右
手の斜面を50m程がむしゃらに登ると、小広い台地に出る。台地の
上には右手より道が付いていた。(もう少し手前に登山口があった
ようだ)道は無いものと思っていたので、少し拍子抜けしたが、後
は、この道に沿って登ることになった。
 南面のせいか雪は全く無くちょっと心配になって来る。943m付近
は美しい松林になっていて、これに沿って左へ折れてから笹の斜面
の急登となる。重い荷物にあえぎながらこの斜面を登る。
 地形図の境目1000m付近で上へ向かっていると、思わず1010mの
ピークへ登り掛けているのに気付く。右下を見ると赤布が付いてい
るので、すぐに起動修正。このコースはかなり、こまめに赤布と
「なた目」が付けられていた。
 1150m付近よりやっと待望の残雪がチラホラ現れて来る。鴫内山
の手前でスパッツを付ける。鴫内山より多少薮っぽくなるが、コー
スは間違える様な所は無い。
 1491mの鞍部で、多少早めだがワカンを履く。時刻はもう13:20、
このままでは、黒滝山まで辿り着けるか不安になる。ピッチを上げ
たいが、バテ気味でなかなか進まない。
 1723mのピークを越えてやっとの事で、黒滝山の西面の船窪の縁
に辿り着いた。今日の天場は、この船窪側に一段下りた所に決めた。
15:50早速、新調したばかりの二代目和名倉山荘(GORE LIGHT)を設
営する。船窪の上を風が吹き抜けて行くが、ここは殆ど風が来無く、
時折巻き込んで来る風がフライをバタつかせる程度で安眠できた。
 夜中になっても一向に気温は下がらず、鍋の水も全く凍らなかっ
た。あんまり暖かいと、今度は雪崩が心配だ,,,。

 前日かなりバテていたせいか、快適な天場のせいか?翌朝はぐっ
すり寝過ごして、5:50起床。6:28出発。最初からワカンを着けて出
発したが、雪は締っていて殆どもぐらない。
 尾根の右側の雪面を登った最初の(1775mの)ピークには MWVの
「西村山」のブリキ板があり、ここから左の樹林に入り、いったん
下った後、再び緩やかに登り始める。右手には、那須連山が浮かび
上がっていたが、こちらよりも、かなり下に見えた。次の1866mの
ピークにも「大長山」のブリキ板あり。いずれも MWVが付けた物だ
が、どうやって山名を調べているのだろう。
 この先のピークから、やっと大きな大佐飛山が姿を現した。この
下りは気持ちの良い雪面で思わず鼻歌混じりに下っていく。1813m
の先で左に折れ、最後のひと登りで、ようやく男鹿山塊の最高峰大
佐飛山に到着。黒滝山との標高差は200mに満ないが、ここまで
3時間。実に遠い山であった。
 大佐飛山山頂には ATCの山名表示板(1998.3.28)と小さな表示板
があり、ここでセルフタイマーで記念撮影。バックには男鹿岳、鹿
又岳、日留賀岳と続く主稜線が横たわっている。
 天気が良ければ、もっとゆっくりしていたい所だが、雲行きも怪
しいので早速引き返す。12時過ぎに天場へ戻ると、雨は本降りに成
ってきた。雨は午後から夜中中降り続いた。

 明け方、風が強くなったかと思ったら、急に冷え込んで、雪が降
り始めた。どうやら前線が通過したようだ。下山は、百村山経由の
コースを取る。まずは、船窪から東へ向かい黒滝山に登る。この斜
面は、雪が殆ど無く、いったんワカンを外しての登りとなる。黒滝
のピークは一番東側にある。ここから尾根を確認しながら下る。
 1680mから標高差 130mの一気な下りは、ワカンでは恐い位だ。
1450mの鞍部から少し登り返して、岩が露出したピーク(1467m)か
ら左折して東に向かい下って行く。
 1257mからの下りは、背丈を超える根曲り竹の薮の中を下る。踏
み跡も消えがちな薮の中で、赤布、テープを拾いながら慎重に下る。
明け方からの雪が笹の葉の上に積もり、背中に容赦無く入ってくる。
 平坦になると道も次第にハッキリしてきて、百村山のピークに着
いた。ここからは、ハイキング道で、送電鉄塔の下を通って30分
程で、登山口(舗装された林道)へ飛び出した。2万5千図の黒磯
市の「市」の字の左下辺りだろうか?雪も降り続いていたのでロク
に地図を確認しなかったのが大失敗だった。この林道を下ったら、
なんと、ずうっと北へ下ってしまった。丁度、黒磯市の「磯」の字
の北の 594m地点でT字路にぶつかり、ここから東に向かい殆ど平
坦な林道を歩かされて、木ノ俣のバス停へ下山した。林道歩きに1
時間を要した。後から思うと、あの登山口から少し右に戻った辺り
に下りの登山道が続いていたんじゃないだろうか?こちらを下りて
いれば、15分程で百村に下れたハズだ。
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 全体的に、百村山コースよりも、鴫内山コースの方が道がハッキ
リしていました。今回は、かなり暖かかったのですが、雪崩そうな
危険を感じるような所はありませんでした。雪っぴも殆ど張り出し
ていなくて、強いて言えば、黒滝山から百村山への下りで、多少出
ている所があった位でした。アイゼンも持っては行きましたが、結
局使わずに、ワカンのみで行けました。
 バテ気味だったせいもあるのでしょうが、とにかく、遠く、大き
な、良い山でした。
 次は、四郎岳、燕巣山に行って見たいと思っています。

以上、駄文にお付合いただき、ありがとうございました。