雪洞掘りに行って来ました。掘り上がった雪洞は、高さが1m90cmくらいも
ある巨大なものになりました。また、ここは、雪洞掘りのメッカらしく、我
々の両側と、少し下にも掘っているパーティがありました。

 天候も、初日が吹雪。翌日が快晴と、まさに雪洞向けの天気だったと思い
ます。天気は少し吹雪いていた方が、雪洞のありがたさが実感出来て良い様
に思います。それでいて、翌日は抜けるような青空の元、谷川岳へ登頂でき
て、皆さんも満足された様でした。

【山 域】 上越・谷川岳
【日 程】 1997/03/01-03/02
【コース】 3/1:天神平−熊穴沢避難小屋(雪洞)
3/2:−谷川岳−天神平
【メンバ】 和名倉山の住人、他8名(大先輩の方々)
      年齢構成 60代=1名/50代=3名/40代=1名/30代=3名/20代=1名
【天 気】 3/1:吹雪混じりの強風
3/2:快晴
【報 告】
 出発前に、しもさんが、谷川岳の主(ぬし)森さんに連絡を取って、聞い
た所、森さんは土曜日は天気が悪いから登らず、日曜日に仲間の人と登ると
の事。確かにその通り、土曜は朝から雨が降り出した。

 雨の中、身仕度をして土合の駅を出発する。七百余名の遭難碑の前を通過
し、ロープウェイの駅へ。往復1,800円の切符を買って天神平へ上がる。
 上へ着くと、雨は雪に変わっていた。これなら何とかなりそうだ。

 天神平の駅を出て右手のスノボのゲレンデの下を横切り、スキー場のコー
スの右端を登る。コース境のネットをくぐり、稜線へ飛び出す。ここから右
へ天神尾根を辿る。尾根の左側に雪っぴが張り出しているので、なるべく右
寄りに踏み跡を辿るが、実際に雪っぴが崩れる時には、尾根の稜線の真上で
は無く、もっと手前から崩れると、S田さんが教えて下さった。

 少し行き小さなコブを越えて、5m程の雪の壁を下りる。ここは、雪山が
初めての人には、ちょっと恐い感じを受ける所なので、この場所で、アップ
ダウンの練習をする。

 さらに、小さなピークを越えた辺りから、風が強くなって来た。尾根の右
側から横殴りの強風が叩き付け、しっかり踏ん張っていないと飛ばされそう
である。降雪量は、それ程でも無いが、地吹雪で顔が引きつって来る。

 左側に林が見え始めると、熊穴沢避難小屋に着く。鉄の四角い柱を斜めに
切った形の道標が目印だ。尾根を乗っ越し、左へ数m下り、林の中にザック
を置き、雪洞を掘り始める。ここの付近は、樹が生えている事からもわかる
ように、雪崩の危険の少なそうな場所で、我々の左右両側でも、別パーティ
が雪洞を掘り始めた。

 我々は、総勢9名と言う大所帯が入れる穴を掘るので、まずは、5m位離
れて、2つの横穴を掘り、それから、天井部を掘り上げ?、両方の穴をつな
げるように、横へ掘り進む。大きな穴を掘るコツは、床は掘り下げず、天井
を掘り上げる様にすることだ。床と入り口をフラットにしておけば、掘り出
した雪を外に出すのに都合が良い。

 また、作業を分担し、各穴毎に、2名が掘り進み、2名が雪を外へ捨てる
ようにした。この時、入り口付近にレジャーシートを敷いておき、内部を掘
り進む者は、このシートの上に雪を投げ、雪捨て係りが、この雪を外へ捨て
に行くようにした。

 内部を掘り進む時のコツは、なるべくブロックで掘り出す事だ。奥の方へ
行けば行くほど、雪が硬くなるので、雪ノコが活躍する。雪ノコで切れ目を
入れ、スコップでブロックごと切り出す感じで、掘り進む。一方、雪捨て係
りは、大きなブロックは手で持って、遠くへ放り投げる感じで。また小さな
ブロックやサラサラの雪は、レジャーシートごと引きずって行って捨てて来
る。

 掘り始めから2時間程で、中で立っても頭がつかえない位の穴が掘れた。
ここで、小休止。一服入れて、再び掘り続け、内側を奇麗に仕上げて、片方
の入り口をブロックでふさぎ、下にテントマットを敷いて完成!
 中で、3人用ツェルトを2つ張っても更に空間ができるくらい大きな、雪
洞になった。

 相変わらず、外は吹雪いている。こんな時、雪洞のありがたさを実感する。
テントでは、風にあおられて、フライがばたばたして、夜も眠れない事もあ
るが、雪洞は静かなもんだ。
 また、中は白一色の世界なので、ロウソク1本でも十分明るいのも良い。
 夕食は鍋で暖まり、コンロを囲んで、各自、近況等を語り合い、夜は更け
て行った。

 翌朝は、昨日の吹雪が嘘のように晴れ上がり、快晴の素晴らしい朝となっ
た。朝食を済ませ、アイゼンを付けて、いざ出発。締まった雪に、ラッセル
の苦労も無く、谷川岳山頂へ立つ事ができた。皆さん笑顔で握手を交わし、
記念撮影をする。

 この後から、20名程の大パーティが登って来た。他にも、スノボを担い
で来る者、アイゼン無しの2本ストックで登って来るおばさんなど、この日
(日曜日)だけで、数十人もの登山者があったようだ。

 しばし、大展望を楽しんだ後、下山開始。途中で、谷川の主(ぬし)森さ
んが、お仲間の方と登って来られた。今日で、谷川岳登頂1206回目と、
ザックに書かれていた。(今年中に1400回目達成する予定らしい)
 森さんとご一緒に写真を撮らせていただいてから、再び下山。お昼前に、
天神平のゴンドラへ辿り着いた。

 以上、これで今年9回目の山へ来てしまった 和名倉山の住人でした。